「モデルだって顔だけじゃダメなんだ。」 1975 年 AD: 石岡瑛子 C : 長沢岳夫 P: 横須賀功光
渋谷PARCO開業50周年を記念し パルコの広告表現を通覧できる展覧会 “「パルコを広告する」1969-2023 PARCO広告展”が開催される。
本展は、1969年から半世紀を超える広告クリエイティブの歴史を現在の視点で再解釈し、一望できる展覧会。
広告はその企業の宣伝活動の一種であり販売促進の手段ではあるが、パルコの広告は50年を超えるその時代のトップクリエイターと手を取り合い、コマーシャルの範疇を超えた表現として発信している。
会場は「2000 年代以降」・「1990 年代」・「1980 年代」・「1970 年代」と4つの年代を遡行していくことでパルコの広告の原点が垣間見える構成となっている。エリアごとに時代精神の遷移に対応した「予言」 (70年代)・「広告」 (80年代)・「渋谷」(90年代)・「アート」 (2000年代以降) といったキーワードを仮説的に設定し、各時代を形造る。
展示するポスター・CM作品は、エリアごとにそれぞれ2人のゲストキュレーターを招き対談形式で選定し、対談内容を展示会場内で上映するほか、会場で販売する公式リーフレットにも掲載予定。
「パルコを広告する」 1969 – 2023 PARCO 広告展
会期:2023年11月17日(金)~2023年12月4日(月) 11:00~21:00 ※入場は閉場の30分前まで。 展覧会初日・最終日は18時閉場。
会場 : PARCO MUSEUM TOKYO (渋谷 PARCO4F/ 東京都渋谷区宇田川町 15-1)
入場料 : 無料
展覧会公式 HP : https://art.parco.jp/
主催 : パルコ 企画制作 : パルコ、 亜洲中西屋 (ASHU)
宣伝デザイン:須山悠里 会場設計:村山圭 映像ディレクション:平野絢士&平野千穂/撮影:寺田雅樹/音声:林拓身
※会場内混雑緩和の為、 入場整理券を配布させて頂く場合がございます。 ※企画内容は予告なく変更になる可能性がございます。
「1977 SUMMER」 1977 年 AD : 長谷川好男 I: 山口はるみ
1970年代「予言」
アバンギャルドな表現と伝統回帰、ハイカルチャーとサブカルチャーなど相反する価値観の併存は、 この時代のパルコの広告表現、文化活動全般の特徴。それは現代の多様性を肯定する「予言」をしていた時代だった。
ゲストキュレーター 上野千鶴子(社会学者)、はらだ有彩(テキストレーター)
「狩人か。旅人か。」 1983 年 AD: 井上嗣也 C : 糸井重里 P : 十文字美信
「昨日は、何時間生きていましたか。」 1985 年 AD: 井上嗣也 C: 仲畑貴志 P : 加納典明
1980年代「広告」
表層的には明るく軽やかでありながらも、ある種“難解”さを漂わせていた「広告」は、表現ジャンルの花形であり、トップクリエイターが時代相の切り取りを競うことで、より洗練されていった時代。
ゲストキュレーター 椹木野衣(美術批評家)、菅付雅信(編集者)
「HAPPY BIRTHDAY P’PARCO」 1996 年 AD : 信藤三雄 P : 稲葉ゲン
「やっぱり、 友だちだよね。」 1996 年 AD: タイクーングラフィックス C: 加藤麻司 P : ソフィア ・ コッポラ
「いっそ、 美人に。」 1998 年 AD : 秋山具義 C: 糸井重里 P : エンリケ ・ バドレスク
1990年代「渋谷」
1990年代に入り、「渋谷」は日本におけるストリートカルチャーの中心地となった。特に渋谷系の音楽やガーリーカルチャーは親和性が高く、その代表格である方々がパルコの広告に颯爽と登場した。パルコの広告を媒介に「渋谷」へ世界の才能が集い、共振、そして広がっていった時代。
ゲストキュレーター 野宮真貴(歌手・エッセイスト)、千葉雅也(哲学者・作家)
画像右 「NO MORE IMAGE! PARCO」 2001 年 AD: 佐藤可士和 C : 谷山雅計 I : 谷田一郎
画像左 「PARCO SAYS,」 2005 年 AD: 箭内道彦 C : 山本佳宏 P : 重森豊太郎
2000年以降「アート」
2000年代を境に広告を含む文化状況の中で「アート」が存在感を増し、今や「アート」は国民的コンテンツに。同時並行でデジタル表現も拡大し、 広告表現も変化していった。目まぐるしい変化がある現在ですが、パルコの広告は「アート」と共存し合い、メージの喚起力に賭ける流儀を絶やさずに表現されている。
ゲストキュレーター 布施琳太郎(アーティスト)、野村由芽(編集者・文筆家)