デザインギャラリーLICHTにて、ENKEL主宰の水澗航キュレーションによる「ジョージ・ナカシマ没後30年企画展」としてナカシマが初期(1944年)にデザインした「グラスシートチェア」のスペシャルエディションモデルの展示受注販売を行う。
木と自然と家族を心から愛した 木匠 ジョージ・ナカシマ
1990年に亡くなった後も、ナカシマデザインの家具は、娘のミラ・ナカシマが引き継いだ米国ニューホープの工房と四国高松の桜製作所の2ヶ所で作り続けられている。今回、没後30年にあたり、ナカシマがインドの国立デザイン研究所(NID)にデザインを提供し、1960年代後半〜70年代にかけてインドで生産された作品の一つ、ローズウッドのグラスシートチェアを特別に桜製作所が復刻した。
アメリカでは1952年建築学会のゴールドメダルを受けるなど、早くから認められた作品は、スミソニアン博物館、シカゴ美術館などにあり、1986年にはメトロポリタン美術館ジャパンギャリーの一室の家具をすべてひとりで製作した。日本でも国立工芸館、栗林公園商工奨励館などに作品が所蔵されており、文字通り世界的に知られた木工家具作家で、木工家としてパイオニア的な存在の一人。
LICHTの洗練された空間とジョージ・ナカシマの家具が競演し、特別モデルのグラスシートチェアに併せて他の作品も並ぶ貴重な機会。ぜひ会場にてナカシマの家具を体感してみてほしい。
ジョージ・ナカシマ / George Nakashima (1905〜1990)
建築を志し、ワシントン大学で林業を専攻するが建築学科へ転向、ハーバード大学大学院からマサチューセッツ工科大学に移籍し建築修士を取得。建築デザイナーとして勤めた後、世界一周の放浪の旅に出る。パリに一年間滞在の間、ル・コルビュジエのスイス館の現場に通いつめる。そして戦前の1934年に来日し、A・レーモンドのもとで前川國男、吉村順三らとともに机を並べた。レイモンド事務所では軽井沢聖パウロカトリック教会の設計を担当、後、建築における創作の限界、統合した表現の追求と自己意識の究極を追い求め、行き着いた先は、もの言わぬ自然・木と向かい合い、木のこころをよむ家具づくり・木匠としての天職であった。
出典:木の仕事・永見眞一著
会期
2021年7月24日(土) – 8月1日(日)
13:00 – 18:00 ※会期中は毎日営業
会場
LICHT
東京都目黒区青葉台3−18−10 2F
Tel:03 6452 5840
HP: http://licht-gallery.com
INSTAGRAM: @licht_gallery