Carlos Rolón, 100 Years, 2021,
Photo by James Prinz © Carlos Rolón Studio
KOTARO NUKAGA(六本木)は、2021年7月30日(金)から9月4日(土)まで、プエルトリコ系アメリカ人アーティスト、カルロス・ロロンの個展「Future Reminisce(未来の追憶)」を開催。カルロス・ロロンの日本国内での作品発表は、2006年以来、実に15年ぶりの個展、また KOTARO NUKAGAでは2019年のグループ展参加以来、2回目となる。自身の複層的な民族的背景から紐解く過去、未来への憧憬を表現する。
アメリカの自治領であるプエルトリコの家系に生まれたロロンは、その背景から文化的アイデンティティや帰属意識の構築について考察し、平面作品や立体作品を制作している。彼が1970年代に幼少期を過ごした自宅は、様々な模様が施されたタイルやヴェネツィア発祥の花柄の壁紙、金縁の鏡などで溢れており、これらの華美で高級な装飾品を模した調度品は、当時の肉体労働者階級のバロック的美学を反映したものだった。ロロンは、植民地主義以後の多様性の包摂やそれに対する憧憬、文化的アイデンティティやその社会で作り上げられた環境を問い直すことで、歴史そのものを検証。2007年開催の第52回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展にウクライナ代表として参加し、近年にはルイジアナ州のニューオリンズ美術館で大規模個展を開催するなど、国際的に活動している。
Carlos Rolón, Untitled (Lost Paradise II), 2018,
Photo by Nathan Keay © Carlos Rolón Studio
今回の展覧会でロロンは、タイルやグラファイトを用いた新作を発表。タイルペインティングには18世紀に作られたタイルが使われており、カリブ海周辺地域の家々への追憶を意味している。また、スペインの入植によって住み慣れた土地を奪われた移民であったロロンの祖先たちの歴史への関心を誘うとともに、私たち誰もが持つ国家や民族から派生するプライベートな対話を、よりパブリックな領域にまで押し広げ、タイルの持つ新たな価値を見出す。一方、グラファイトで描かれた《100 Years》の中にある一見穏やかで当たり障りなく見える風景は、アメリカ軍が100年前に領土として占領し、先住民たちの援助で繁栄したプエルトリコを撮影したもの。祖先の混沌とした歴史と抑圧の象徴でもある風景に立ち戻ることで、埋もれていた美しさ、追憶、希望を描き出す。
これまでに現代美術作家たちと様々なコラボレーションを展開してきたアパレルブランドSOPHNET.。その代表を務め、自身も現代美術に造詣の深い清永浩文とロロンには長年に渡る交流があり、両者がこの度の展覧会開催に合わせてコラボレーションし、Tシャツとプレートを数量限定で製作。2021年7月30 日(金)より、国内外 SOPH.shop、SOPH.ONLINE STORE、伊勢丹新宿店メンズ 館、KOTARO NUKAGA(六本木)にて SOPHNET.が販売を開始する。
SOPHNET. x Carlos Rolón
‘Future Reminisce’ 100 Years T-shirt
SOPHNET. x Carlos Rolón
‘Future Reminisce’ Multi-colored Tondo T-shirt
SOPHNET. x Carlos Rolón
‘Future Reminisce’ Detailed Multi-colored Tondo Plate
SOPHNET. x Carlos Rolón
‘Future Reminisce’ Blue and White Porcelain Tondo Plate
販売に関するお問い合わせ
SOPH. コンタクトページ:https://www.soph.net/shop/contact/contact.aspx
KOTARO NUKAGA コンタクトページ:https://www.kotaronukaga.com/contact/
カルロス・ロロン「Future Reminisce」
会期: 2021年7月30日(金) – 9月4日(土)
開廊時間: 11:00-18:00 (火-土) ※日月祝休廊
会場:KOTARO NUKAGA(六本木)
〒106-0032 東京都港区六本木 6-6-9 ピラミデビル 2F
アクセス: 東京メトロ日比谷線、都営地下鉄大江戸線3番出口から徒歩3分
※国や自治体の要請等により、日程や内容が変更になる可能性があります。
カルロス・ロロン
1970 年 アメリカ、シカゴ生まれ コロンビア・カレッジ・シカゴで絵画を学び、1989年に卒業。アメリカの自治領であるプエルトリコの家系に生まれたロロンは、その背景から文化的アイデンティティや帰属意識の構築について考え、制作を行う。現在のアメリカ民主主義の動向を追いながらも過去の政治制度や独立運動、儀礼、スピリチュアリズム、美学などの文脈を踏襲し、装飾的で色鮮やかな平面作品や立体作品を作る。その素材は鉄、鏡、ガラス、アクリル板、そして花や古布 にまで渡り、時には空間を意識した家具や壁面も手掛ける。2007年の第52回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展にウクライナ代表として参加し、近年にはルイジアナ州のニューオリンズ美術館で大規模個展を開催した。