デザイナーであると同時に、技術者として、ヒューマノイド・ロボットや両手親指キーボードを独自開発。ウィルコムW-SIMコアモジュールやNTTドコモの「おさいふ携帯」などの基礎技術の発展にも寄与。Suica自動改札機の開発では、利用者の半数以上がスムーズに通過できなかったデザインを現在の形にし、実用化のキーパーソンとなった。
また、「その外側に筋肉が存在しないからこそ、完璧な骨格にならなくてはならない」と、高い機能性と美しさを兼ね備えた、スポーツ用義足の開発にも挑む。
そんな経歴を持つデザイナーが、ツイッターでつぶやいた言葉とスケッチが本になった。
****
目次
第一章 生き物と人とその仕組み
第二章 日常の観察
第三章 つくる人の視界
第四章 スケッチの役目
第五章 仕事の作法
第六章 空へ
****
東京大学で「Prototyping & Design Laboratory」と名付けられた研究室も持つ山中俊治さんから、主に学生たちに向けた、それらのつぶやきは彼の思考方法に関するもの、デザインのルールなど。しかし読み手が必ずしもデザイナーやエンジニアでなくとも、視点にハッとさせられたり、文章の合間に挟まれる山中さんのスケッチにうっとりしたりするだろう。
さらに、プレゼンのやり方、フリーランスとして働く極意など実践したくなるヒントも書かれているとあれば、「ツイッターのエッセイ集」と侮ってしまうにはもったいない1冊。
『デザインの小骨話』
山中俊治
日経BP社
1944円
Amazon