これまでアコースティックライブやアルバム制作を通じて共演を重ねてきた藤原ヒロシと猪野秀史のふたりに、海外からも熱視線をそそがれるCHAIのベース・ユウキとドラマー・ユナを加えた新たなバンド編成で臨むライヴツアー「STÜSSY PRESENTS: FUJIWARA hiroshi INO hidefumi FW 2017」。新規メンバーを迎えたバンドのムードとライヴの内容を聞くべく、都内某所で行われたリハーサル現場を訪れた。
——今回のツアーは初のバンド編成ですよね。CHAIのおふたりを迎え入れるきっかけは?
藤原ヒロシ(以下HF)「誰の紹介だったかは忘れましたが、鳴り物入りで入ってきました。何組か推薦してもらったのですが、第一印象で」
——音を聴いてピンときたんですか?
HF「ほとんど聴かずでしたね。アー写も見ていないです。アー写はあるの?」
ユウキ「あります。結構ヤバい」
ユナ「ムチムチさを出しています」
HF「(アー写を見て)あはは」
ユナ「笑ってくれた!」
HF「先に見ていたらお断りするところでした(笑)。でも噂は聞いていました。ライヴがいいと」
——うまいと?
HF「“いい”と聞いていました(笑)。でもうまいですよね」
INO「僕はアー写を見ましたよ。ピンクのレオタードっぽい衣装を着て踊っている映像を観て。僕はヒロシさんとは逆で、いいなあと思いました」
HF「(笑)」
INO「音もその後に聴いて、すごく良かったです」
HF「CD、良かったですね」
——2nd(『ほめごろシリーズ』)ですか?
HF「そう。僕のことをディスられているんだなあって」
ユウキ&ユナ「違う違う違う! ヒロシさんはセコ・メン(セコいメンズ)じゃない! 3B(バンドマン・美容師・バーテンダー)じゃないです!」
——バンドマンですから残念ながら3Bです。ただあの曲(“ボーイズ・セコ・メン”)はセコ・メンをディスってはいないんですよね。
ユウキ「そう。格好いいから好きになっちゃうのも仕方ないよね、ドンマイって曲です」
——ユウキさんとユナさんは、ヒロシさんとINOさんのことをご存知でしたか?
ユナ「名前しか知らなくて、とりあえず『すごい人だ!』という印象でした」
HF「音楽的には後輩みたいなものだから。INOくんは音楽畑だからCHAIからしても先輩に当たるだろうけど、僕は事務所に入ったのも遅いし、常にみんなのことを兄さんだと思っています」
ユウキ&ユナ「後輩!? とんでもない!」
——という複雑な上下関係があるわけですね(笑)。おふたりの音は聴きました?
ユウキ「お話をいただいて、調べまくりました」
ユナ「YouTubeも観て、バキバキしているCHAIと全く違うので、『あ、心地いい』と思って」
——CHAIとは音楽性が違うということですが、さきほどリハの様子を拝見させていただいて、わりとバキバキのほうに寄っているのかなと思ったのですが。
INO「バキバキですよね」
HF「ダンス寄りで、いままでの僕らとは違う感じかもしれないですね。エレキギターはほとんど弾いたことがなかったので」
INO「これまではドラムじゃなかったですしね」
HF「うん、前はショウくん(OKAMOTO’S)がパーカッションをやってくれていて。でもこのセッションでは、僕らはCHAIの影響下にあるんです」
ユウキ&ユナ「いやいや!」
——では、ライヴは全体的にディスコっぽい仕上がりなんですね。
HF「今回はそういうものが多いですね」
——レコーディング中の新曲もライヴで演奏される予定ですか?
HF「何曲かやります」
——新曲もディスコ・テイストのものが多かったですが、いまのモードがそうなんですか?
HF「今回はバンドなので。あと、若きエネルギーが入ったからじゃないでしょうか」
INO「僕はもっとバキバキにしたいんですよ。ヒロシさんのタイニー・パンクス時代みたいな(藤原ヒロシと高木完により結成されたヒップホップグループ。ビースティ・ボーイズの初来日公演でオープニング・アクトを務めた)」
HF「タイニー・パンクスはバキバキじゃなかったけどね(笑)」
INO「でもそれ以降の藤原ヒロシというとメロウなイメージがあるから、その前の姿を見せたい」
HF「そうだね、生まれて初めてワウペダルを使うし」
INO「僕はワウじゃなくてディストーションを使ってほしいんです。ディストーションはパンクでしょうと言ったんですけど、断られました」
HF「ディストーションは苦手なんです」
——ヒロシさんはどういうディレクションでリハを進めているんですか?
HF「あまり考えていないです。セッションしながら『もうちょっとテンポを速めに』とか言っただけで、僕が逐一指示するのではなく、わりと自由にのびのびとやってもらっているんですけど、CHAIのふたりは緊張しているかもしれない」
ユウキ「緊張してます(笑)」
ユナ「私たちは事前に音源をいただいたので、聴きながら考えたものをリハに持ってきています」
——まだ緊張しているということですが、アメリカでのツアーも経験していて度胸はあるおふたりですから、CHAI色をどんどん解放していく感じになりそうですね。
ユウキ「徐々に、ですね」
ユナ「とりあえず今日の服はCHAIっぽいです。見た目から攻めてみようと思って、派手な色を着てきました。実はこれ2、3日前から考えていたんです(笑)」
ユウキ「これが全力のCHAIです!」
HF「(笑)。ふたりは、いままで他の人と一緒にやったことあるの?」
ユウキ「ないです」
ユナ「当たり前ですけど、曲の構成もCHAIと全く違うので、全てが新鮮で」
HF「ベースの構成もCHAIより難しいですか?」
ユウキ「CHAIは音数が少ないけど、こちらのほうがもっと音楽っぽいから、ちょっと難しいです」
HF「もっと自由に、CHAI感を出してくれてもていいですよ。ドラムとベースだけでもっと派手にできるの?」
ユウキ「CHAIではもっとベンベンしてます」
HF「やってみたら? ベースソロももっと長くとろう」
ユウキ「いやー! どうしよう。ソロ、もっと考えます」
——ヒロシさんがエレキになり、さらにバンド構成になったということで、INOさんも新しい感覚を楽しんでいる感じですか?
INO「そうですね。とりあえず僕もピンクを着ようかなと」
ユウキ「似合いそう(笑)」
HF「絶対着てもらうから。Tシャツを余分に作っておきます」
INO「Tシャツじゃなくレオタードでお願いします」
HF「それいいですね(笑)。しかもINOくんだけレオタードというのがいい」
INO「フレディ・マーキュリー的に着こなします」
HF「誰もINOくんをいじらないでライヴを進行しましょう」
INO「いじられないんですか……」
一同爆笑
——実際、サウンド的にもCHAIのおふたりに触発される部分はありますよね?
INO「うん。僕はどちらかと言うと、そういう羽目はずし系のバンド、例えばThe SlitsやElectric Sex Circusなど、シンプルだけどノイズだったりアヴァンギャルドなものが好きなので、実際にそういう音を出せる機会を与えていただいてヒロシさんに感謝しています。以上」
HF「まとめた(笑)」
STÜSSY PRESENTS: FUJIWARA hiroshi INO hidefumi FW 2017
KANAZAWA
8月25日(金)AZホール
開場 20:00 / 開演 21:00
Stüssy Kanazawa 076-290-8753
mezzanine 076-262-7711
KYOTO
9月1日(金)都雅都雅
開場 20:00 / 開演 21:00
Stüssy Kyoto 075-253-1350
NAGOYA
名古屋 9月15日(金)Live&Lounge Vio
開場 20:00 / 開演 21:00
Stüssy Nagoya Sakae 052-263-0663
Stüssy Nagoya Meieki 052-585-7238
JUQUI 052-262-7770
TOKYO
東京 9月16日(土)Wall&Wall
開場 18:00 / 開演 19:00
Stüssy Harajuku 03-3479-6432
Stüssy Daikanyama 03-3464-1780
Stüssy Shinjuku 03-3356-1566
チケット(税込)
前売¥3,500 (1D) / 当日¥4,000 (1D) ※各会場
stussy.jp
チケットぴあ P-code 340-700
チケット発売中
Information
STÜSSY JAPAN 0548-22-7366 (10:00 – 18:00)
Supported by MILESTONES
今回のライヴツアーを記念して発売されるツアーアイテムがこちら。STÜSSY伝統のスケートマンとfragmentのサンダーボルトをバックプリントしたTシャツ及びプルオーバーフーディを各2色展開。シンプルに洗練されたグラフィックが二人のサウンドを象徴する。
The Fiots Tee | White, Black | ¥6,000+tax
取扱店舗 : 原宿、代官山、新宿、名古屋栄、名古屋名駅、京都、金沢、MILESTONES
※8月12日(土)発売
The Fiots Hoodie | White, Black | ¥15,000+tax
取扱店舗 : 原宿、代官山、新宿、名古屋栄、名古屋名駅、京都、金沢、MILESTONES
※8月25日(金)発売予定
Hiroshi Fujiwara
80年代よりクラブDJを始め、85年TINNIE PUNXを高木完とともに結成し、日本のヒップホップ黎明期にダイナミックに活動。90年代からは音楽プロデュース、作曲家、アレンジャーとして活動の幅を広げる。2011年より真心ブラザースの倉持陽一とともにAOEQを結成し新たなバンドスタイルでの演奏活動を行っている。2017年冬に発売予定のアルバムを現在制作中である。そしてワールドワイドなストリートカルチャーの牽引者としての顔も持ち、ファッションの分野でも若者に絶大な影響力を持つ。2017年3月まで銀座SONYビルにてコンセプトショップTHE PARK-ING GINZAを展開した。また自らが見たい、読みたい、知りたいと思う情報を集めグローバルに発信するデジタルメディア”Ring Of Colour” ringofcolour.com を主宰している。
http://ringofcolour.com
Hidefumi INO
5歳からピアノをはじめる。フェンダーローズで奏でられるビンテージサウンドと電子音楽に傾倒した音世界はセンチメンタリズムの色彩をまとい幅広い層の心を揺らしながら浸透中。
https://www.innocentrecord.net
CHAI(ちゃい)
ミラクル双子のマナ・カナに、ユウキとユナの男前な最強のリズム隊で編成された4人組、『NEO – ニュー・エキサイト・オンナバンド』、それがCHAI。誰もがやりたかった音楽を全く無自覚にやってしまった感満載という非常にタチの悪いバンドで、2016年の春以降、突然いろんな人が「CHAIヤバい」と韻を踏みながら口にし始め、ある日突然ノンプロモーションなのにSpotify UKチャートTOP50に代表曲『ぎゃらんぶー』が突如ランクイン! (※最高位36位)。2017年SXSW出演と初の全米8都市ツアーも大成功におさめ、4月26日に今現在のCHAIのヤバさがすべて詰め込まれた2nd EP「ほめごろシリーズ」をリリース。その常軌を逸したライブパフォーマンスを観てしまった全バンドマンがアホらしくなってバンド解散ブームすら起こりかねないほど、彼女たちに触れた君の2017年度衝撃値ナンバーワンは間違いなく『NEOかわいいバンド』、CHAIだよ!
http://chai-band.com