OKAMOTO’Sのニューアルバム『NO MORE MUSIC』発売を祝して、NeoLでは収録曲10タイトルにインスパイアされた10記事とイメージヴィジュアルを1ヶ月にわたって随時掲載していく。第4回目は“NEKO”をテーマに、24時間365日の電話相談専門の動物病院Alicli24の院長・三宅亜希が猫の特性や飼い方をレクチャー。
——今回は猫を飼うにあたってのアドバイスをおうかがいさせていただきたいのですが、まず基本中の基本として、迎え入れる家をどのような状態にしておけばよいのか教えていただけますか。
三宅「猫は犬と違って、わりと自分だけでも家に居られる動物なので、日中に家に居ない方でも飼いやすいというのはあります。ただ特に子猫は、いろんなものにイタズラしたり、誤ってなにかを飲み込んだりすることが多いので、コード類やコンセントはカバーをつけたり、床にモノを置かないことは徹底してほしいですね。また、人間には害のないアロマや観葉植物も猫には毒になることがあるので、猫がいるスペースには置かないようにしましょう。猫は元々木の上に住んでいて、獲物を狙って狩りに行く動物だから、上下運動が大好きです。キャットタワーがあると喜ぶと思いますし、キャットタワーがなくても上手く家具などを階段状態にして遊べるとストレスがかからず暮らせるかなと思います」
——食事はどのような間隔でどういったものを与えるのがよいのでしょう。
三宅「生後2~3ヶ月くらいの子猫は1日3~4食与えますが、成猫であれば基本的には朝晩の2回食にしている方が多いかと思います。しかし、猫は本来、一度の食事で満腹になるような食べ方はせず、ちょこちょこと小腹を満たすような食べ方が合っている動物だと言われています。そのため、可能であれば一日に少量ずつ何度も与えるのもいいでしょう。与えるものは栄養バランスが取れているものであればドライフードでもウェットフードでもいいと思いますが、ウェットフードの方が水分をたくさん取れるという利点があります。といのも、猫は元々砂漠の動物と言われていて、あまり水を摂取しないんです。流水は好んで飲んだりするので、常に水が循環している猫用の給水器を使うのもいいかもしれません」
——猫とパートナーシップを築くうえで大切なことは?
三宅「テーブルの上に乗るのをやめてほしいときに、霧吹きのようなものでちょっと水をかけると驚いてやめてくれたりもしますが、猫は基本的に躾をする動物ではないんです。だから、こちらが合わせて、猫が好むような環境を整えてあげること。犬だったら、トイレじゃないところで排尿してしまったら躾が足りないとなるけれど、猫の場合はトイレを気に入ってくれるように気に入った猫砂を探したり、トイレの環境を整える。怒ったり、大きい声を出したり、叩いたりしても怖がらせるだけなので、猫相手には効きません。例えば猫は触って欲しいんだけど、ある限界を超えると、もうやめてと引っ掻いたりするから、そういう見極めを飼い主ができるように心がける。実際、猫の飼い主さんは、猫に気に入って頂ければ幸せという方が多いです。
例えば見知らぬ猫さんと仲良くなりたい場合は、猫は2メートルくらいまでは近付かせてくれるんですが、それ以上はすごく親しい間柄でないと逃げてしまうんです。だからギリギリの距離で止まって、目を見ないままでちょっと美味しそうなものを持ってると向こうから近付いてくれるかもしれません。人間の世界では目が合うと挨拶するのがマナーですが、猫の世界では見ていると敵意があると思われるんです。よく猫の顔を見ながら近づいていく人がいますが、猫としては、あれは喧嘩を売られていると思ってしまうので逃げるんですよ。仲良くなるための基本原則は、大きな声や音は出さない、近付きすぎない」
——猫の病気はどのようなものが多いんですか。
三宅「子猫は消化機能が未成熟なので、吐いたり、下痢しやすい。大人になってからは、毛づくろいで飲み込んだ毛をうまく吐き出せずに消化器症状を起こすことも多いです。また、泌尿器系の疾患も多く、膀胱炎や尿路結石症を起こしやすいことが知られています。前述したように猫はあまり積極的に水分を取らない動物なので尿が濃縮されてしまうことも要因です。たくさん水を飲んで新しい尿を作りどんどん排泄していれば膀胱炎などもなりにくいです。特に雄は尿道が細いため、尿内の炎症物質や結石などが詰まりやすく、尿を出せずに重篤な状況になるため注意が必要です。もっと歳をとってくると、慢性の腎臓病になる子がとても多いです。人間は人工透析ができるけど、猫の世界ではできても大変な費用がかかって現実的ではないので、薬を定期的に飲んでいる子がほとんどです。本来だったら出してはいけない水分が尿と一緒に出ていって脱水状態になるので、脱水がある場合は点滴をしたり、腎臓病の子用の療法食に切り替えます。
今は、猫専門病院もありますので、もし家の近くにあれば、そういった病院の方が、猫が病院嫌いになりにくくていいと思います。また、猫専門ではなくてもキャットフレンドリー・クリニックという、猫を愛する先生たちが、猫がストレスを感じないような病院作りをしているところも増えています。この時間は猫しか看ませんというキャットアワーを設けている病院もあるので、ぜひ調べてみてください。待合室で犬の鳴き声が聞こえるだけでも、白衣に犬の匂いがついていても猫にとってはストレスなんですよ。犬は、猫の匂いがしてもちょっと興奮するくらいなんですが、猫は警戒して早く帰りたいという感じになってしまうんです」
——野生が残っているがゆえに、匂いなどにも敏感なんですね。
三宅「そうなんです。猫は病気を表に出さないから、飼い主さんが何かおかしいと気付いたときにはかなり進行していることが多くて。年に一度は健康診断をした方がよいのですが、病院に行くこと自体がストレスになるので、子猫のうちからストレスが少ない病院に連れて行って体重を測って帰って来るだけでもいいので、病院に慣れてもらうといいですね。そうすると大人になってからも上手く体調管理ができるかなと思います」
三宅亜希
獣医師。小動物臨床に従事後、Anicli24院長として就任。「Anicli24」は、24時間、365日、ペットの相談ができる電話相談専門の会員制動物病院。
https://www.anicli24.com/
OKAMOTO’S
オカモトショウ(Vo)、オカモトコウキ(G)、ハマ・オカモト(B)、オカモトレイジ(Dr)。2010年5月にアルバム 『10’S』、11月に『オカモトズに夢中』、2011年9月に『欲望』を発売。2013年1月に4thアルバム『OKAMOTO’S』を発売し、7月に は両A面シングル“JOY JOY JOY/告白”を、11月6日にニューシングル“SEXY BODY”をリリース。2014年1月15日に岸田繁(くるり)を迎えた5th アルバム『Let It V』を、8月27日にはRIP SLYME、奥田民生、黒猫チェルシー、東京スカパラダイスオーケストラ、ROY(THE BAWDIES)らとコラボを果たした5.5 thアルバム『VXV』を発売。2015年9月30日、6thアルバム『OPERA』をリリース。2016年6月1日にNetflixドラマ「火花」の主題歌「BROTHER」を表題曲にしたシングルをリリース。10月29日、東京・日比谷野外大音楽堂公演にてキャリア初の47都道府県ツアーファイナルを敢行。同ツアーからの厳選音源と、ツアー中に書き下ろした新曲「ROCKY」を収録し、ツアーファイナルの映像を全曲収録したBlu-ray付きライヴアルバム『LIVE』を2017年5月31日にリリース。8月2日に7thアルバム『NO MORE MUSIC』をリリース。同年10月7日には中野サンプラザにてキャリア初のホールワンマンの開催が発表されたが、即完売となる。同月30日より恵比寿リキッドルームを皮切りに全国23か所を回るツアー「OKAMOTO’S TOUR 2017-2018 NO MORE MUSIC」の開催が発表された。
http://www.okamotos.net
OKAMOTO’S
『NO MORE MUSIC』
8月2日発売
(Ariora)
https://www.amazon.co.jp/NO-MORE-MUSIC-初回生産限定盤-DVD付/dp/B072VKB8QQ/ref=pd_lpo_sbs_15_img_1?_encoding=UTF8&psc=1&refRID=8MR686V41KK8S9ZDA0PC
https://itunes.apple.com/jp/album/no-more-music/id1253780325
photography Takuya Nagata
styling Masako Ogura
hair & make-up Katsuyoshi Kojima(TRON)
model Keito (STAARAY)
interview & edit Ryoko Kuwahara
dress ¥45,000 , pants reference item /FACETASM
FACETASM http://www.facetasm.jp
*price excluding tax