女王蜂のアヴちゃんが彼女を慕う方たちとお忍びデート。その様子をドキュメントする人気連載第7回目に登場するのはチャラン・ポ・ランタンのアコーディオン小春。9月に開催される蜜蜂ナイトでの共演を待ちわびる小春とアヴちゃんが、ひと足早く新宿の夜で逢瀬を楽しみました。
18:20 シャンソンバー ソワレ
小春「ジンジャーエールでいい?」
アヴちゃん「辛い?」
小春「うん」
アヴちゃん「辛いの好きだからそれにする。たまに飲みたくなるよね、夏の喉越し。乾杯しよ!」
小春「イエーイ!」
アヴちゃん「ソフトドリンクイエーイ!」
小春「しかし暑いねえ」
アヴちゃん「髪が長いと余計に暑いでしょう」
小春「一昨日に4ヶ月ぶりに美容院に行って梳いてきて、それでも大変。4ヶ月放っておいても大丈夫な髪型だから、そういう意味では楽だけど(笑)」
アヴちゃん「(笑)。お互い姉妹でバンドやっているのは珍しいよね」
小春「海外だとちょっといるけど、日本だと全然いないよね」
アヴちゃん「楽な部分と楽じゃない部分があるから」
小春「色々なことをあえて調べないで来たから、質問たくさんしちゃうと思うんだけど、アヴちゃんも妹ちゃん以外とバンドを組んだことないでしょう?」
アヴちゃん「ううん、獄門島一家というバンドをやっていて。女王蜂が一度活動休止して、そのタイミングで音楽をやめようと思っていたのね。でも『もう1回、音楽やってみな。最高に格好いいメンバーを集めるから』と言われてやってみたのが獄門島一家なの。今もたまに、オリンピックくらいの頻度でやろうとしていて。以前、女王蜂VS獄門島一家で対バンしたんだけど、死ぬかと思った(笑)」
小春「ひとりだけ大変なやつだ(笑)」
アヴちゃん「(写真を見せながら)ウケるでしょう? KenKenちゃん、(中村)達也ちゃん、(長岡)亮介ちゃんというメンバーで、ヤクザの一家という設定」
小春「やばっ、格好いい! 設定のあるバンドって大好き」
アヴちゃん「 CDも作ったんだけど、実録暴露本みたいな感じで、小説や写真もたくさん載せて出した」
小春「毎回アー写がめっちゃいいよね。孫悟空を意識していたあのアー写は特に好きだった」
アヴちゃん「嬉しい。アー写は本気で戦ってるから。小春ちゃんも衣装には自分の意図を反映させているんでしょう?」
小春「そうね。ガッツリした衣装は全部お母さんが作ってるんだけど、お母さんからの提案もわりとある。『こういうのを見つけたんだけど、どう?』って。本業はイラストレーターなんだけど」
アヴちゃん「なるほどね。浮かぶんだね」
小春「ももと小春以外、親戚はみんな絵描きなんです。だから音楽やりたいって言っても反対できなかったんじゃないかな。絵も大変だから」
アヴちゃん「大変だよね。毎回毎回試されるわけで、ゼロから作るって本当にああいうことだと思う」
小春「そう、絵は大変だよ〜」
アヴちゃん「そっか、ご家族がしっかり理解があるわけね」
小春「理解というか、アートの人しかいなくて」
アヴちゃん「わたしの一族にはそういう人がひとりもいないから真逆かも」
小春「そうなの? 意外!」
アヴちゃん「わたしは神戸のヤンキーでバンドを組んで、上手くグレれた。だから東京でちゃんとアートをやっている人を見ると、自分がギャルだったり、心がドン・キホーテにいるような人間だから、引け目に感じていた時もあったり」
小春「小春は地方から出てきた人たちのほうが羨ましい。地元があるというのが自分にはあまりない感覚で、新宿にも小さい頃からよく来ているけど、地元話というものがあまりできないというか」
アヴちゃん「幼なじみは?」
小春「途中で私立に転校して、みんな家が遠い子が多かったから近くにそういう人がいなくて。和光なんだけど、OKAMOTO’Sは2個下で同じブラスバンド部だったよ」
アヴちゃん「悪い先輩そう(笑)」
小春「いやいや、部長でもないのに独裁政権してたけどね(笑)。ハマ・オカモトとは特に仲良くしてたよ」
アヴちゃん「わたしはとりあえず一番バイトができる学校に入って、家にお金入れることしか考えていなかったなあ」
小春「そうかあ」