是枝裕和監督の最新作『海よりもまだ深く』(ギャガ配給)が、5月21日(土)より全国公開。
是枝監督が新たに送りだすのは、“なりたかった大人”になれなかった大人たちの物語だ。主演は今や国民的名優となった阿部寛。叶わぬ夢ばかり追い続ける情けない主人公・良多を、ときに可笑しく、ときに切なく、チャーミングに演じています。そんな良多に愛想を尽かした元妻に真木よう子。そして、良多の人生を穏やかな眼差しで見つめる母に樹木希林。さらに、小林聡美、リリー・フランキー、池松壮亮、橋爪功ら豪華キャストが揃った。台風の夜に集まった元家族。嵐が去れば、またそれぞれの日常に戻ると分かっている彼らの想いが交錯し――。“海よりもまだ深い”人生の愛し方を教えてくれる、心に沁みる感動作がここに誕生した。
先日開幕となった、第69回カンヌ国際映画祭の「ある視点」部門に正式出品されることでも話題となっている本作。映画祭には、阿部寛、樹木希林、真木よう子、是枝裕和監督が参加、レッド—カーペットを歩く予定。5月19日(日本時間)にはいよいよ正式上映されるが、団地を舞台にした、この夢見た未来と少し違う今を生きる人々の物語が、世界の観客たちにどう響くのか。
この度、本作の主題歌で、5月25日(水)に発売となるハナレグミのニューシングル「深呼吸」のミュージックビデオが完成。映画の中で主人公・良多(阿部寛)の探偵業の相棒・町田健斗役を演じた池松壮亮を主演に迎え、是枝監督が映画のサイドストーリーとして新たに撮り下ろした一作となっている。
今回このミュージックビデオは、映画の撮影を進めていくうちに是枝監督の中で町田のバックボーンが膨らんでいったこと、映画を観た人たちから「彼の背景を知りたい!」という声が多くあがったこと、さらに制作スタッフの間で「もっと池松さんを撮りたい!」という声が多かったことから生まれた。空気感はそのままに、映画のサイドストーリーとして、町田を主軸にした温かくも切ないもうひとつの家族の物語が描かれている。劇中のハナレグミの歌唱・演奏シーンも必見!
◆池松壮亮 コメント
・主題歌・MVについて
「深呼吸」をエンドロールで初めて聞いた時に、鳥肌がたちました。是枝監督の作品世界を代弁するような、とてもさりげなくて、作品と共にある感じがすごくいいなぁと感じました。
僕自身大好きな曲なので、今回こうしてMVという形で、是枝監督とハナレグミさんというタッグにご一緒させていただけることは本当に嬉しいです。映画よりも町田というキャラクターにもう一歩踏み込んだ内容になっているので、映画とMVと両方を見ていただき、あわせて面白がっていただけたらと思います。
・映画『海よりもまだ深く』について
傑作だと思います。ちょっとビックリしました!
こんなにさりげなく、人の人生の真髄をついてくるような作品を僕は観たことないなと思いましたし、是枝節が炸裂でしたね。
・初の是枝組参加について
映画学校にも通っていたような僕からすると、是枝監督はスターだし、最初はものすごく緊張しました。
現場では、知らぬ間に料理されていたような感じで、決して何か沢山演出された覚えはないのですが、たまに投げかけてくださる一言が全てを言い得ていて、監督の現場は面白いなぁと感じました。
・共演した阿部さんについて
共演できてすごく楽しかったです。
是枝監督に最初にお会いした時に「今回阿部さんを見守ってあげてください」と一言言われて、「あぁ、それだけで全部いけるな」と思いました。
阿部さんは想像していたよりもやわらかくて、すごくチャーミングな人で、今回の現場はそういう居方をされていたのかもしれないのですが、人としても、役の阿部さん(良多)もすごく好きになりました。阿部さん演じた良多のダメ男ぶりは、嫌いじゃないです!僕は、是枝作品の阿部さんを特に大好きなので、今回そばにいられて嬉しかったです。
◆是枝裕和監督 コメント
ハナレグミさんには、砂田麻美監督の『エンディングノート』でご一緒させていただいたのが、最初です。その時から、いつか自分の監督作品で、音楽を、と考えていましが、今回夢が叶いました。
録音スタジオにお邪魔した時、まだテーマ曲の『深呼吸』は、ほとんど歌詞はできていませんでしたが、そのメロディーラインを一度聴いただけで、身体が震えるほど感動しました。出来上がった曲は、もう、映画の描いていない主人公の過去や未来をも感じさせてくれる名曲で、この歌で映画が締めくくれることを本当に嬉しく思っています。
◆ハナレグミ コメント
主人公の良多と一緒に、うつむいたり 空を見上げたりしながら曲を書きました。
「なりたい大人になれたかい?」 その問いが僕の手の中にも残り そして また一つ 深呼吸。
この映画に参加できて、とても光栄に思います。
<ハナレグミ プロフィール>
永積 崇(Takashi Nagazumi 1974年11月27日、東京生まれ)。その深く温かい声と抜群の歌唱力を持って多くのファンから熱い支持を得ている。
高校2年の頃よりアコースティック・ギターで弾き語りをはじめる。1997年、SUPER BUTTER DOG でメジャー・デビュー。2002年5月、はっぴいえんどのトリビュート・アルバムに参加。同年夏よりバンドと併行して、ハナレグミ名義でひっそりとソロ活動をスタートし、1stシングル『家族の風景』、1stアルバム『音タイム』をリリース。ギター片手に単身、全国のライヴ・ハウスを廻った。2004年、2ndアルバム『日々のあわ』をリリースし、全国ツアーはNHKホールを含む全公演がソールドアウト。2005年、完全自宅録音による3rdアルバム『帰ってから、歌いたくなってもいいようにと思ったのだ。』をリリース。夏にはSUPER BUTTER DOGの代表曲をタイトルにした竹中直人氏監督映画「サヨナラCOLOR」が公開となり、エンディング・テーマとして忌野清志郎氏とのデュエットも披露している他、サントラも担当した。同年9月、初のベスト・アルバムをリリース。東京・小金井公園にて開催したワンマン・フリー・ライヴ『hana-uta fes.』は2万人もの観衆を集めた。
2009年4thアルバム「あいのわ」をリリース。全国ツアーのファイナルとなった日本武道館では約1万人の観客を圧倒するステージを披露した。2010年3月「TOUR あいのわ「タカシにはその器はないんじゃないかしら…」と母は言ったのであった。@日本武道館」をリリース。2011年は、FUJI ROCK FESTIVALのGREEN STAGEをはじめ、RISING SUN ROCK FESTIVAL in EZOへは大トリとして出演、ARABAKI ROCK FESTでもトリとして多彩なゲストを迎えセッションを披露するなど各地の観衆を魅了、9月に5thアルバム「オアシス」をリリース。2013年5月、時代を越えて歌い継がれる12の名曲を収録した初のカバーアルバム『だれそかれそ』をリリース。2014年1月、茂木欣一(東京スカパラダイスオーケストラ/FISHMANS)、加藤隆志(スカパラ/LOSALIOS)、柏原譲(FISHMANS/Polaris/OTOUTA)の3人によるバンドSo many tearsと各地180分を超える熱演を繰り広げたツアーのライブ盤、ハナレグミ・So many tears『どこまでいくの実況録音145分』をリリースした。2015年8月、自身の楽曲に加え、野田洋次郎(RADWIMPS)、YO-KING(真心ブラザーズ)による楽曲や、池田貴史(レキシ)、大宮エリー、辻村豪文(キセル)、堀込泰行(ex.キリンジ)との共作楽曲を収録した6thアルバム「What are you looking for」をリリース。
また、ソロ活動と平行して幾多のコラボレーション企画にも積極的に参加。ニッカウヰスキー「夢で逢いましょう」やハウスメイト「PEOPLE GET READY」、アサヒビールくつろぎ仕込 4VG「はじめてのチュウ」のCM歌唱や、小泉今日子・bird・原田郁子・太田裕美などへの楽曲提供も行っている。現在、楽曲を歌唱する資生堂「専科」のCMが放送中。
ハナレグミ 『深呼吸』 2016年5月25日(水)発売
初回限定盤 ¥1,400+税 通常盤 ¥1,200+税
1. 深呼吸 2. あるてぃすと 3. 深呼吸(遠慮すんなよミズノ買ってやるよ ! ver.)
4. 別れの予感 5. 別れの予感(カラオケ)
初回限定盤のみ『Tour What are you looking for』からのライブ音源3曲を収録
6. 大安 7. 光と影 8. おあいこ
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【ストーリー】
夢見た未来と、少しちがう今を生きる大人たちへ贈る感動作。
そんな良多の頼みの綱は、団地で気楽な独り暮らしを送る母の淑子
ある日、たまたま淑子の家に集まった良多と響子と真吾は、台風の
こうして、偶然取り戻した、一夜かぎりの家族の時間が始まるが―
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■主題歌:ハナレグミ「深呼吸」(Victor Entertainment / SPEEDSTAR RECORDS)
■出演:阿部寛 真木よう子 小林聡美 リリー・フランキー 池松壮亮 吉澤太陽 / 橋爪功 樹木希林
(C)2016 フジテレビジョン バンダイビジュアル AOI Pro. ギャガ
配給:ギャガ