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和菓子職人 稲葉基大

和菓子職人 稲葉基大

wagashi asobi(東京・大田区)の和菓子職人 和菓子文化のさらなる可能性を探る活動を国内外で展開しています。
著書「わがしごと」2016
I am wagashi confectioner of wagashi asobi. wagashi is traditional Japanese style sweets culture.


#2「MARIE BELLE NEWYORK」のおはなし

    NeoL読者の皆さん こんにちは。

    wagashi asobi(ワガシ アソビ)の稲葉です。

    このブログでは、和菓子職人の甘くて楽しいお菓子な話を紹介して行きます。

    よろしくお願いします。

    写真①-1

     

     

    2003年秋。当時NYで仕事をしていましたが 911同時多発テロや景気後退の影響で勤めていた店が閉店する事になりました。

    大好きなNYを離れたくなかった僕は、知り合いや出会う人に「帰国したくないので力を貸してほしい。」と言い続けて暮らしていました。しかし、いい加減な英語と和菓子しか作れない人間にビザのサポートをして給料を払ってくれる人はそんな簡単に見つかるわけがありませんでした。 半ば諦めかけていた時、帰国の土産を探しにブルーミングデールズを訪れ、ついでに、以前イベントでお世話になったリビング売り場に行きました。スタッフの方に「帰国したくないけど、諦めるよ。」と話をすると「あなたは、NYに居るべきだ。私に任せなさい。今夜あなたをサポートできる人から電話させるから家に居なさい。」と言われました。夜、家で電話を見つめながらずいぶん適当な事を言う人だと思っていました。

    すると、本当に電話が鳴りました。電話は、マリベル・リバーマンさんと言う女性からでした。彼女は、「私はあなたの話を友人から聞いてビザと仕事をサポートしたいから会いましょう。あなたの和菓子を食べたいから持ってきてね。」と言いました。翌日、彼女を尋ねて行くとそこはセレブ御用達で有名な超高級チョコレート店「MARIE BELLE  NEW YORK」でした。見ず知らずの和菓子職人に救いの手を差し伸べてくれたのはオーナーのマリベルさんでした。僕の和菓子をつまみにホットチョコレートを飲みながら色々な話をしました。一旦、帰国して数か月後からチョコレートのアトリエで仕事しながら和菓子も作るという内容でお世話になる事になりました。

    帰国後、和菓子の現場に戻り自分のレベルの低さを実感した事とチョコレートの知識もない自分が彼女の世話になるのはフェアな契約にならなく申し訳ないという気持になりました。彼女に会い直接気持ちを伝えるためにNYを訪れました。家に招いてくれた彼女はゆっくり話を聞いてくれた後に「将来、準備が整ったら、またあなたと仕事をしたい。」と言ってくれました。こんなミラクルで素敵な出会いをくれたNYは、本当に第二の故郷です。

    写真②

     

    先日、トゥモローランド渋谷本店内に彼女の店がオープンしました。レセプションパーティーに出席した知人のFBタイムラインでマリベルが来ている事を知り会場に駆けつけました。あれから10年、感動の再開を果たすことが出来ました。wagashi asobiとして独立して頑張っている話を自分の事の様にとびきりチャーミングな笑顔で喜んでくれたマリベルに心から感謝です。

     

    MARIE BELLE      http://www.mariebelle.jp/

    wagashi asobi  http://wagashi-asobi.com/

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