自然エネルギー利用の最先端をいく高原の町・岩手県葛巻町。10年以上前から再生可能エネルギーに取り組む同町では、「風力発電」や「太陽光発電」のほか、昔から行っている酪農を活かし、牛の排泄物から電気をつくる「畜ふんバイオマス」という葛巻町ならではの取り組みを行っているのだとか。
そんな“エコ”な町・葛巻町で、10月25日から2日間に渡り、シンガーソングライターのつじあやのさんと一緒に、クリーンエネルギーについて考え体験できるイベント「ごはんも! でんきも! 自分でつくろう『ひかり照らす森の音楽会』と『エコエネルギーの町葛巻』まるごと体験ツアー」が開催された。
同イベントは、環境月刊誌『ソトコト』のシリーズ企画「ソトコト的でんきの教室」のコーナーの一環として行われ、参加者は、1日目につじあやのさんによるウクレレを使ったライブを楽しみ、2日目は葛巻町内の発電施設などを見学した。
初日に行われたつじあやのさんのライブは、自家発電施設「森と風のがっこう」(旧小屋瀬小中学校上外川分校)の敷地内にある森の中で行われ、日没後の17時に開始された。ソーラーパネルによって発電された電気を使い照明をセットし、参加者による手作りステージの中、つじあやのさんはマイクを使用せずに『風になる』など5曲をアカペラで披露した。寒さのあまり、吐く息は白くなり、ウクレレのチューニングがずれてしまう事態も起きたが、美しい歌声に参加者は酔いしれた。
ライブが終わると、つじあやのさんは「ライブ前に皆で飾り付けをしたりステージ作りしたことが新鮮で楽しかった。今後の参考にしたい」とコメントした。
翌日、参加者は町内の自然エネルギー施設を訪問。風力発電所「グリーンパワーくずまき風力発電所」や自然エネルギーを利用したモデル住宅「くずまき高原牧場ゼロエネルギー住宅」、畜ふんバイオマス施設「くずまき高原牧場畜ふんバイオマスシステム」などを見学。
町役場のスタッフから、葛巻町の面積の86%が森林であること、町内には25個のエコ施設があり、そこでは葛巻町の世帯数のおよそ5.5倍の年間約16,000世帯分の電気がつくられている(平成25年4月現在葛巻町の世帯数は2,885世帯)ことを説明されると、参加者は改めて葛巻町の凄さを知ったのだった。
イベントに参加した人たちからは、「電気だけでライブをすることに感激した」(40代男性)「エコについて考えるきっかけになった」(30代男性)などという声が上がった。
葛巻町は、国内でも有数のクリーンエネルギーを地産地消する町。牛乳やチーズ、牛肉など“食”にも恵まれた素晴らしい町でもある。一度葛巻町に訪れてみては?
ソトコト
http://www.sotokoto.net/denki-tsukuru/02/