THE NOVEMBERSのニューアルバム『Rhapsody in beaty』はもうお聴きになっただろうか。ノイジーなものもサイケデリアもガレージロックもエレクトロもここではすべてがエクスペリメンタルだ。しかもその”体験的”な音楽はジャンルではなくセンシュアルなものであり、これまでのロジックを新たな挑戦でもって一旦解体して得たどこまでも自由な音像そのものといった印象でもある。そしてこの10月にバンドを軸としたチーム”MERZ”も1周年を迎えその手応えをはじめ、「LAD MUSICIAN」の20周年を記念するショーのアフターパーティでのライブや、小林祐介のソロ=Pale im Pelz(ペイル イン ペルツ)についても語ってもらった。
(前編より続き)
ーーそしてMERZ設立1周年でもありますがどうですか?
小林「うーん、『まだ1年か』っていう感じの1年なんですけど、正直こう、自分たちだけでマイペースに、余裕はないけど音楽を楽しんで絶対に損はしなくてそこそこお金も入ってっていう感じは維持できてます。この後もそれをやっていくんだったらひとつのひな形みたいなものはちょうどできた感じはあって。ただ、僕たちはそれを求めてUKプロジェクトやめたわけじゃなくて、より広がっていきたいとか、大きくなりたいとか、もっと自由に楽しみたいとかいろんな目的とか、思想みたいなものがあって今の形を持ってるんで、これからはどうやったらもっと広げて行けるのかなとか、どういう人とパートナーとしてやっていけばいいのかな?っていう段階にちょうど来てて。だから次はもしかしたら誰かと手を組むかもしれないし、自分たちでやるかもしれないし」
——マーケターの高野修平さんとのタッグも非常に納得で、今回は雑誌でのプロモーションが印象的でしたね。手書きのメッセージであったり、ライブ後のステージに立てるパスでえあったり。
小林「そうですね。結局、自分たちに何ができるか?って言ったら資本がないっていうところをいかに楽しむかってことしかないと思ってて。だから『音楽と人』も『MUSICA』も独立したての頃から僕らのことを応援して助けてきてくれたので…一緒に仕事をしたいなと思って、ちゃんと出稿もして、で、自分たちの懐から出稿量何十万って出て行く時に、ただロゴとリリース情報が載ってるデータがあの広告ページとインタビューが載ってるだけってなんて無意味なんだろう。せっかくモノとして残してくれるのに、お客さんがページと出会った時、そんな情報、ホームページでも見られる。そんなものがあって誰が価値を感じるんだろう?って高野さんと改めて話してて。で、その中でアドバイスをもらったり提案したり、自分たちが考えてやったのが今回のやり方ですね」