価値と守りが絶えず対話を繰り広げる世界。rabanne 2025年秋冬コレクションneol.jp

Rabanne
Fashion show
Winter 2025 2026

rabanne（ラバンヌ）は、パリファッションウィークにて2025年秋冬コレクションを発表。

二つの力が互いに作用し合い、壊れ、開かれる枠組み。2025年秋冬コレクションは、私たちにすべてを抱きしめるように呼びかけるー私たちの歴史、私たちの宝物、私たちの力—それらを、ただ、最も美しい瞬間に手放すために。この衝動を、素材、形、色の結びつきの中で表現し、Julien Dossena（ジュリアン・ドッセーナ）は、価値と守りが絶えず対話を繰り広げる世界を作り上げている。

現代のファーは、優雅に包み込みながらも、野生的で解き放たれた存在。クラシックなウールやコーティングされたコットンによる厳格なシルエットは、外と内の領域の異なる概念を探求している。キルトの裏側から抑えきれないファーが飛び出し、輝くシルバーの表面が剥がれ落ち、ビーズのスカーフがラインを強調し、解体されたパネルが第二の皮膚のような光沢を包み込む。これらの要素は、戦略的なスリットや立体的なテクスチャー、小さなスパンコールの溢れんばかりの装飾によって引き裂かれ、強調されている。この過剰な装飾の曖昧さは、色とりどりの錠剤が爆発的にプリントされ、洗練されたスーツとして表現される。

すべてのルックにおいて、ひとひねり効いた色調—アプリコット、グリーングラス、バーガンディ、ディープブルー、ブラウン、ブラック、ライラック—が、暖かさと冷たさの絶妙なバランスを生み出す。男性たちもまた、リアルとフェイクのレザーがタイトな仕立てとファーの層と交わるような、似たような色の表現を取り入れている。

構築的なシルエットに並ぶ、メタルメッシュの装飾が施されたレースは、ベルト付きのシェルの下に保護された、柔らかな質感の二重性が存在する。シマー感のあるフリル付きのシースが、レザーやウールのドレスの上に浮かび、長めのシアードレスは、その下にきらめく身体を宿す。高く編み上げられたコンバットブーツで地に足をつけ、より力強い印象を与える。一方、メリージェーンシューズにはきらめくソックスが合わせられ、過去へのオマージュの中にグランジの影響を感じさせる。

今、この時が生み出すのは、揺れ動く不確実性と、それに抗う勇気が交わる瞬間。その中で、首に掛けた古びた鍵は、ひときわ深い意味を宿すこと。それは、私たちの安全と秘密を守る普遍的な象徴、あるいは、まだ見ぬ何かを解き放つための鍵なのだ。