既にリリースされているので耳にした読者も少なくないだろう。あるいは、方々で噂は耳にしているという人もいるだろう。ペトロールズのニューシングル『SIDE BY SIDE』が本当に素晴らしい出来なのである。このバンドが鳴らす音楽は、何から何まで並びない。ブラックミュージックからカントリー、プログレまでさまざまな音楽的意匠がナチュラルに昇華され、抗いがたい中毒性に彩られたポップス。それに触れる刺激と喜びたるや尋常じゃない。それぞれまったく異なるルーツを持っている長岡亮介のヴォーカル＆ギター、三浦淳悟（ジャンボ）のベース、河村俊秀（ボブ）のドラムが濃密に絡み合い、三位一体となったグルーヴがリスナーの琴線を揺り動かす。決して騙しなどしないから、ぜひもっと多くの人に体感してほしいと思う。このメンバー全員インタビューが、ペトロールズの理解を深める一助になればと思う。
最初に3人で音を合わせたときに『ああ、こういうふうになるんだ。よかった』と思った
(前編より続き）
—長岡くんとジャンボさんは対バンで知り合ったんですよね。
長岡「そう、僕は当時、椎名純平さんのサポートをしていて、ジャンボはループ・ジャンクションというバンドのメンバーで。一緒にライブをしたときに知り合いました」
—当時、ジャンボさんはギタリストとしての長岡くんにどんな印象を持ってましたか？
三浦「ギターの印象はやっぱり強烈でしたよ。すごいアプローチをするなと。純平くんの曲はわりとストレートなR&Bだから、そこに乗るギターっていうと浮かぶイメージがあるんだけど、彼のギターはまったくそうじゃなくて」
—ルーツにブルーグラスやカントリーがあることも強く影響してると思うんだけど、フレーズがいちいち独特ですもんね。
三浦「そうそう。これは面白いギタリストだなと。で、ループ・ジャンクションが解散して、僕も純平くんのサポートをするようになってからは同じバンドでやるようになって。そこで仲よくなったんですよね。彼がヨーロッパ放浪に行って、帰国したときに自分の部屋で弾き語りした音源が入ってるMDとコード譜をもらって。『これで一緒にバンドをやろう』って」
長岡「あはははは。なんか恥ずかしいね」
