© Jérémy Griffaud + Makiko Furuichi
WISH LESS galleryでは、フランスを拠点に活動するアーティスト、ジェレミー・グリフォと古市牧子による二人展「モンキービーチの冷めたコーヒー」を開催。ジェレミー・グリフォは仏・ニース出身、架空世界にはびこる奇妙な植物やクリーチャーを独創的に繊細なタッチで描く作家。一方、古市牧子は金沢出身、現在は仏ナントにて活動し、水彩ならではのにじみやぼかしを巧みに操り、生物の裏側に潜む怪しい側面を切り取った作品が印象的だ。本展では、二人が旅先での体験を元に作り上げた「得体の知れないもの」を介して、ひとと自然との関係性に新たな視点をもたらす。樹木がまるでエイリアンのような姿だったり、森の動物が神の化身に見えたりと、現代社会で忘れてしまいがちな微細な感性を刺激し、自然界の神秘と驚きに満ちた一面を伝える。
[ 作家より展示へ向けて ]
昨年末からジェレミーが数ヶ月間滞在制作したマレーシアのペナン。古市は2週間だけ現地に合流した。ある日、私たちは自然と野生の猿を見にモンキービーチに向かった。モンキービーチとは、マレーシア・ペナン島の北部に位置する、野生の猿が生息する観光地だ。
そこで私たちはマレー人のリーさん(仮名)という人に出会った。笑顔が印象的で細身、50歳くらい、どこかのサッカーチームのTシャツを着ていた。古市が日本人だと分かると満面の笑みで得意の日本語を話し始めた。「ウォークマンとリュックサック一つだけ持って日本に行ったよ! 僕は本当に若かった。」日本が大好きで仕方ない、日本の滞在は今もキラキラとした良き思い出として彼の記憶に残っているようだ。「30年前このモンキービーチは日本人だらけだったんだよ。今はもう全然いないけど」
異国の地で多少なりとも疎外感を感じていた私たちは、彼との会話で得体の知れない安堵感を得た。ちなみに猿は観光客からたくさんご飯をもらって満腹のため、奥で昼寝をしていて1匹も見えなかった。
© Jérémy Griffaud
© Makiko Furuichi
© Jérémy Griffaud
© Makiko Furuichi
© Jérémy Griffaud
© Makiko Furuichi
© Jérémy Griffaud
© Makiko Furuichi
ジェレミー・グリフォ+古市牧子 二人展 「モンキービーチの冷めたコーヒー」
会 期 | 2023年7月8日(土) ~ 23日(日)
開廊時間 | 木曜~日曜 12:00~18:00
休廊日 | 月曜~水曜
会場 | WISH LESS gallery (東京都北区田端5-12-10)
入場料 | 無料
イベント |オープニングレセプション:2023年5月20日(土) 18~20時